「あっ、そうだ灯さん!これ、プレゼントです!」

「え?プレゼント?」

「はい!灯さんがイケオジとうまく行ったらお祝いにプレゼントしようって、ずっと前から用意してたんです!」


そう言って珠理ちゃんは、「また随分と唐突だな……」という佐原くんに「いいでしょ、別に!」と軽くグーパンチをお見舞いして、淡い水色のラッピングにパープルのリボンが掛かった可愛らしい包みを向かいの席から勢い良く差し出した。


「わ、ありがとう……!開けてもいい?」


その気持ちがとても嬉しくて、さらに緩みそうになる涙腺に力を込めて受け取って聞いてみれば、


「ダメです!!!!」


まさかの即答で拒否されてしまうから面食らってしまう。


「えっ⁉︎ダメなの……?」

「今ここではダメです!今日イケオジがお迎えに来るんですよね?なら、帰ったら"2人で"開けてみて下さい!いいですか⁉︎必ず"2人で"、ですよ⁉︎」

「……わ、分かった……」


やたらと"2人で"の部分を強調する珠理ちゃんの迫力に気圧されながらも頷くと、珠理ちゃんはにっこりと妖しく笑った。