クールな幼なじみが本気になったら

「りっくん…」


いつもと違う、りっくんの真剣でまっすぐな視線に、思わず目を奪われる。



『悪いけど、こいつ、ずっと前から俺のだから』

『しずくが、だれかのものになるかもって思ったら…。頭ぐちゃぐちゃで、どうにかなりそうだった』


…どうしよう。

こんなときに、あのときのことを思い出しちゃった。


あれはただ、ユウヤくんを諦めさせるために言ってくれただけで…。

わたしに向けられて言った言葉じゃないってわかってるのに。


あのときも今も、わたしが知っている幼なじみとはまた違うりっくんが垣間見えて、なぜだか胸がドキドキしている。



少しして、りっくんに見惚れていることに気づき、我に返る。


「な…なに言ってるの。わたしは、ただ芽依とりっくんが仲よくなってくれたらなぁって思って」