クールな幼なじみが本気になったら

……え?

喜んで渡したって、…どういうこと?


「しずくとハチマキを交換できて、しずくも俺と同じ気持ちなんだって勘違いしてた自分がバカみてー…」


ハハハ…と自嘲気味に笑うりっくん。


そんなりっくんと視線を合わせるように、わたしもいっしょになってしゃがんでみる。

目元は手で隠れて見えないけど、その陰から悔しそうに唇を噛んでいるのが見えた。


「…も〜、りっくん。なにか落ち込むことでもある?わたしなんかのハチマキをもらったところで、いいことなんてなにも――」

「あるよ」


そう言うと、りっくんは目元を覆っていた片手でわたしの手を握った。


「俺だって、恋まじないなんか信じてねぇよ。でもあのとき、マジでしずくと両思いになれるかもって思ったら、うれしくてたまらなかった」


そして、まっすぐにわたしを見つめる。