クールな幼なじみが本気になったら

「しずくから渡されたから受け取ったのに、なんで篠田さんのハチマキが?」

「そ…それは、あのとき言いそびれちゃったんだけど、芽依がりっくんとハチマキを交換したがってて…」


ここは、下手な嘘はつけない。

正直に話そう。


それに、さっきみたいにわたしが嘘をついたところで、きっとりっくんはすぐに見破ってしまうだろうから。


「てことは、俺のハチマキは篠田さんが?」

「…うん」


りっくんの問いに、わたしはぎこちなく頷いた。


「…なんだよ。そういうことかよ」


わたしの反応に、りっくんはガッカリしたようにため息をついた。

そして、手で目元を隠すようにして、落ち込んだように地面にしゃがみ込む。


「俺、てっきりしずくがハチマキを交換してくれると思ったから、喜んで渡したっていうのに…」