クールな幼なじみが本気になったら

「ふ〜ん。『寄るところがある』っていうのは、嘘だったんだ」

「…えっ!?う…嘘じゃないよ…!?ちょうど今から向おうと――」

「今さっき、『早く帰って、録画してたドラマでも見よう』って言ってたのは、だれだよ」


…やっぱり、わたしのひとり言を聞かれてしまっていた。


「そういえば…芽依は!?まさか、1人で帰らせたの…!?」

「ちゃんと送ったよ。しずくに頼まれたんだから。パン屋までだけどな」


りっくん、ちゃんと途中まで芽依を送ってくれたんだ。


「でもしずくの様子が気になって、すぐにあとを追ってきた」


よく見ると、りっくんはハァハァと息を整えている。

…それに、こんなに汗びっしょりで。


徒競走で全力疾走したときは、汗ひとつかいてなかったのに。


「どうして、そうまでしてこっちに…」