クールな幼なじみが本気になったら

体育祭のときも、さっきもだって、前からりっくんの隣にいたのは…わたしだったのにな。

なんてことを思ってしまった。



「…はぁ〜。わたしってば、なに落ち込んでるんだろう」


自分を鼓舞するように、両頬をペシペシと叩く。


「早く帰って、録画してたドラマでも見よう…!そうすれば、きっと気分も入れ替わるは――」

「確か、今から寄るところがあるんじゃなかったっけ?」


突然後ろから声がして、驚いて肩がビクッと動いた。


…この声、もしかして……。


おそるおそる振り返ると、両腕を前で組み、不服そうな表情でため息をつく…りっくんだった!


「り、りっくん…!」


びっくりしすぎて、思わず後ずさりをしてしまった。


まさか、ついさっきまで頭の中で思い浮かべていたりっくんが、真後ろにいるとは思わなくて…。