クールな幼なじみが本気になったら

若干強引だったけど、これでいいんだ。


芽依は、りっくんと帰りたがっている。

わたしは、あそこにいたらただのお邪魔虫。


だから、これで――…。


と思ったけど、走っていたスピードを徐々に緩めて立ち止まったら、なんだか心にぽっかりと穴が空いたように…無性に寂しくなった。


今頃2人は、同じ帰り道を歩いているのかな。

話し上手な芽依がりっくんに話題を振って、りっくんもそれに応えて…。


きっと、弾むような声が飛び交っているに違いない。

芽依のはじける笑顔が溢れているに違いない。


親友の頼みごとを聞いて、わたしはその役目を果たしたはずなのに――。


どうして、りっくんの隣にわたしじゃないだれかがいると思ったら、こんなにも胸がギュウッと締めつけられるのだろうか。


りっくんはただの幼なじみで、だれと仲よくしようとわたしには関係ないはずなのに…。