クールな幼なじみが本気になったら

「は…話したいこと?」


予想外のりっくんの発言に、わたしが動揺してしまった。


「うん。2人きりになりたいから、しずくの家まで送るよ」


わっ…わたしと2人きりっ!?


…そうじゃないよ、りっくん!

りっくんと2人きりになりたいのは、芽依なんだからっ…!


りっくんは背中にしていて気づいていないだろうけど、いっしょに帰れないことに頬を膨らませて怒っている芽依の顔が見えた。


ここは、なんとしてでもりっくんと芽依を2人きりにしないと…!


「…ごめんね、りっくん。わたし、今から寄るところがあって…」

「寄るところ?」

「だから、今日は芽依といっしょに帰ってね!」

「あっ…。待てよ、しず――」

「…じゃあ、またねー!」


わたしは、りっくんを振り切るようにして駆け足でその場を去った。