クールな幼なじみが本気になったら

「へ〜、そうなんだ。じゃあ、俺と帰る方向がいっしょだな」


わたしたちの会話に、芽依は『いい流れ』というふうに、首をうんうんと縦に振っている。


「わたしはこっちの道だからさ、りっくんはこのあと芽依を家まで送ってあげてよ」


…言えた!

ごくごく自然な流れで。


りっくんは優しいから、きっと「イヤ」なんて言わないはず。

それは、想像ができていた。


…しかし。


「そっか。それじゃあ、篠田さん…」

「はいっ♪」

「送るのは、また帰りがいっしょになったときでいいかな」


……えっ…?


わたしと芽依は、キョトンとして顔を見合わせる。


「俺、今日はしずくに話したいことがあって。だから、こっちに帰るから」


そう言って、りっくんはわたしの家へと続く道を指差す。

それは、芽依の家とは真逆の方向だ。