クールな幼なじみが本気になったら

それがこの体育祭を通じて、ものすごく距離が縮まったように見えるのは傍から見てもわかる。


ほら、周りのりっくん狙いの女の子たちだって、そんな2人の様子をうらやましそうに見ている。


わたしも芽依の親友として、2人が仲よくなってくれるのはすごくうれしいんだけど…。

これが、りっくんと芽依のハチマキを交換した効果なのだろうか。


そんなことをぼんやりと考えていた。



体育祭は順調に進行し、無事に閉会式を迎えた。


そして、りっくんや芽依たちの活躍のおかげで、今年は見事2年生が優勝した。



その帰り。

体操服から制服に着替えたわたしは、興奮冷めやらぬ芽依といっしょに学校を出る。


すると、前方に背の高いりっくんの頭が見えた。


「あれ、律希くんじゃない!?1人かなっ!?」