クールな幼なじみが本気になったら

りっくんのハチマキを芽依に渡すと、予想通りとても喜んでくれた。


「さっすが、しずく!最高の親友だよ〜!」


芽依は、わたしにこれでもかってほどに抱きつく。


芽依からわたしのハチマキを返され、代わりにわたしはりっくんから預かったハチマキを芽依に渡す。

そのハチマキを大事そうに受け取ると、頬を緩ませた芽依が頭に巻いた。


丁寧に少し乱れた髪を整え、わたしに微笑んでみせた。


「うん、似合ってるよ」


わたしがそう言うと、芽依は照れ笑いした。


…でも。

どうしてだろう。


芽依の頼みごとを聞いてあげられてわたしもうれしいはずなのに…。

りっくんのハチマキを巻く芽依を見ると、なぜだか胸がチクッとするのは。



そして、体育祭が始まった。


初めの競技は、徒競走。

各学年2人ずつ、合計6人で50メートルを競う。