クールな幼なじみが本気になったら

そのために、芽依はりっくんのハチマキをほしがっているんだから。


「わ…わたしは、べつに恋まじないを信じてるわけじゃないんだけど――」

「俺なんかのでよければ、しずくにやるよ」


りっくんは自分のハチマキを解くと、それをわたしに差し出した。


「ほんと…!?いいの!?」


黙って頷くりっくん。


よかった…!

これで、きっと芽依が喜ぶに違いない。


「ありがとう、りっくん!」


わたしはりっくんとハチマキを交換すると、お礼を言って、すぐさま芽依のもとへと戻った。


芽依の喜ぶ顔を想像したら、なんだかわたしがうれしくって。


だから、ついついりっくんに伝えるのを忘れていた。


…わたしが渡したハチマキは、芽依のだということを。



「…うそっ!?律希くんとハチマキ交換できたのっ!?」