「結果、楽しみに待ってるからね♪」


芽依はそう言うと、わたしを残して先に帰ってしまった。


1人じゃ心細いからいっしょについてきてほしかったのに、今日はこの前連絡先を交換した男の子と前々から遊ぶ約束をしてたとかで。


…仕方ない。

1人で行くしかない。


わたしは深いため息をつくと、意を決してユウヤくんが待つ屋上へ向かった。



屋上へ通じるドアをゆっくりと開けると――。


風に揺れる髪をかき上げる、ユウヤくんの後ろ姿があった。


…いた。

てっきり、遊びかなにかの冗談の告白と思っていたから、本当にいるとも思わなかった。



「あ…あの…」


わたしの声に反応すると、クルッとユウヤくんが振り返った。


「…よかった〜。本当にきてくれた」


そして、わたしの顔を見るなり笑みをこぼす。