クールな幼なじみが本気になったら

「わたしにできることだったら、なんでもいいよ」


そう言ってみると、りっくんの口角がニヤリと上がった。


「それじゃあ、お言葉に甘えて」


それを聞いて、わたしはしまったと後悔した。


『なんでもいいよ』とは言ってみたものの、無理難題だったら…どうしよう。

りっくんのこの表情から察すると、なんだか簡単なお願いごとではないような気がする…。


ゴクリとつばを飲み込み、りっくんの答えを待っていると――。


「…前から思ってたんだけど。俺のこと…名前で呼んでほしいんだ」


夕焼け色にりっくんの顔が染まる。


わたしは、一瞬キョトンとしてしまった。

てっきり、ものすごい無謀なお願いかと思っていたら、『名前で呼んでほしい』なんて。


「でもわたし、名前で読んでるよ?『りっくん』って」