クールな幼なじみが本気になったら

わたしが息をする暇も与えてくれない。

りっくんのキスに、とろけて溺れそうになってしまう。


「ま…待って、りっくんっ」


わたしがそう言っても、りっくんのキスは止まらない。


「かわいすぎるしずくが悪い。イヤって言っても、やめないよ?」


いたずらっぽく微笑んだりっくんは、愛おしそうにわたしを抱きしめながらキスをしたのだった。


新聞部の人がどこへ行ったとか。

今が何時だとか、そんなことはもう関係なかった。


今日、いっしょに過ごせなかった時間を埋めるかのように、わたしとりっくんはこの狭い体育倉庫の中で甘い時間を過ごしたのだ。



その日の帰り道。

夕焼けの空の下、わたしたちは堂々と手を繋いで歩いていた。


「ねぇ、しずく。実は、お願いがあるんだけど」

「お願い?」


りっくんがそんなことを言ってくるなんて珍しい。