クールな幼なじみが本気になったら

だけど、わたしのすぐそばにはりっくんがいる。

ただそれだけで、すごく心強かった。



りっくんとともに、ステージから下りる。


「…あ、そうそう。もし、さっきみたいにしずくになにかしたら、俺が許さないから」


わたしの足を引っ掛けたコや、それを見て笑っていたコに睨みをきかせるりっくん。

女の子たちは、なにも言えずに後ずさりするしかなかった。



「クールだと思ってた律希くんが、まさかこんなにも彼女を溺愛するタイプだとは思わなかった〜!」


後ろで待っていたミュウちゃんが話しかけてきた。


「ミュウに見せる顔は、仕事の顔。だから、俺がこんなだってことは、他には言うなよっ」

「なんでなんで〜!?律希くんのその甘い一面知ったら、きっとファンのコはイチコロだよ?」

「そんなのはいいんだよ。俺が甘くしたいのは、しずくだけだから」