クールな幼なじみが本気になったら

ミュウちゃんは自分が言ったことに納得して、フランクフルトをひと口かじった。


「律希くんも行こ!そろそろ、撮影再開するんでしょ?」

「あ…ああ」


せっかくりっくんと会えたというのに、なにも知らないミュウちゃんは、そのままりっくんを連れて行ってしまった。


りっくんと文化祭をまわるどころか、ひと言も会話を交わせないなんて…。


出店の当番が交代になって、再び芽依とまわることに。

しかし、声をかけられるのはよく知りもしない男の子ばかり。


わたし…こんなことのためにメイクしてもらったわけじゃない。

ただ、少しでもりっくんの目に留まってほしかっただけ。


だけど、さっき顔を合わせたときだって、…りっくんは無反応。


芽依やミュウちゃんと違って、やっぱり地味なわたしがちょっとメイクをしたところで、りっくんの気を引けるわけがないんだ。