クールな幼なじみが本気になったら

出店の前にできた長蛇の列に、目を丸くしている。


「なんだか、急にお客さんが増えちゃって〜…」


芽依が帰ってきてくれてよかった。

わたし1人だけじゃ、全然お店がまわらない。


並んでいるお客さんのほとんどが男の子。

調理が遅いわたしに文句を言うわけではないけど、なんだかジロジロと見られている気がする…。


「…そんなにフランクフルトって人気なんだね」


ヘトヘトになりながら、次から次へとフランクフルトを焼いていく。

それを聞いて、芽依は横で呆れながら笑った。


「いやいや。べつにフランクフルトが人気ってわけじゃなくて、たぶんみんなしずく目当てだよ」

「わ…わたし!?」


口を動かしつつも、手も動かす。


「律希くんのためにメイクしたはずが、その他大勢の男子も引き寄せちゃったね」