クールな幼なじみが本気になったら

「見たよっ。お母さんが騒いでた」


そう。

りっくんには、好きなコがいる。


だから、今わたしのことを頼ってくれてるのだって、きっと幼なじみだからに違いない。



わたしはというと、りっくんと違って好きな人はいない。


りっくんがそばにいるからだろうか。

どうしてもりっくんと比べてしまうと、なんか違う…となってしまう。


それに、わたしは他のコと違って地味だから。


こんなわたしと付き合いたいと思ってくれるような男の子なんて、いるはずがない。


――そう思っていたら。



それから、数日後。

お昼休み。


教室で、芽依とお弁当を食べていたときのことだった。


わたしが、最後のミートボールを口の中へ入れたとき――。


「…あれって、1年生じゃない?」


卵焼きをお箸で摘んだ芽依が、廊下のほうへ目をやる。