クールな幼なじみが本気になったら

芽依がそんなことを大きな声で言うものだから…。

教室中の女の子の視線が、痛いくらいに一斉にわたしに突き刺さった。


「付き合ってないよ…!ただ、小学校がいっしょだったってだけだからっ」


この学校には、りっくんのことが好きな女の子と、モデルの律希のファンの女の子がたくさんいる。


だから、もしりっくんと付き合っているだなんて、嘘だったとしてもそんな噂が流れたら…。

…なにをされるかわからない。


それに、わたしとりっくんが付き合うだなんて――。

そんなこと、天と地がひっくり返ったってあるはずがない。



「ちょっと冗談で言ってみただけなのに、しずく必死すぎだよ〜!」


芽依は、いたずらっぽく笑ってみせる。


「それに、律希くんって好きなコいるんでしょ?雑誌のインタビューコーナーに書いてあったの見た?」