そのせいで、体が冷えて体調を崩してしまったに違いない。


すると、心配そうに見つめるわたしの背中を芽依が痛いくらいに叩いた。


「な〜に、こんなところで突っ立ってるの!」

「い…痛いよ、芽依」

「ボサッとしてないで、早く行ってあげなよ」

「…え?」

「だって、しずくは律希くんの“彼女”なんだからっ」

「…べつに、まだ“彼女”ってわけでは。それに、わたしが行っても迷惑だろうし…」

「そんなことないでしょ!こういうときにそばにいてくれたほうが、律希くんもうれしいに決まってるじゃん!」


ニッと笑ってわたしの背中を押す芽依。

りっくんとの仲をまだ説明できていなかったけど、芽依はすでにわたしたちの関係を理解してくれていた。


「しずくがいるから律希くんのことは諦めたけど、あたしは“モデルの律希”のファンだから。ちゃんと看病しないと許さないよ!」