クールな幼なじみが本気になったら

「ほんと律希くんって、普段もそうだけど、雑誌で見ると余計に同い年だって思えないっ」

「そうだよね。大人っぽいもんね」

「そういえば、しずくって律希くんと同じ小学校だったんだよね?小学生のときからあんな感じだったの?」

「うん。1人だけクールだし、そのときから人気だったよ」


芽依には、りっくんと同じ小学校という話はしたことはあるけど、『幼なじみ』ということまでは話していない。

わたしからあえて言うことでもないし、今は小学校のときみたいに、いっしょに帰るという仲でもないから。



そのとき、教室内がわっとざわついた。


女の子たちが、一斉にある方向に目を向けている。

そこにいたのは、廊下からわたしたちのいる教室内を見渡すりっくんだった。


女の子たちの視線を集めながら、りっくんはゆっくりと教室の中へ入ってくる。