クールな幼なじみが本気になったら

「昨日の『Excellent』読んだっ!?」


やってきたのは、茶髪のロングヘアを緩くミックス巻きした女の子。

このクラスで一番仲がいいわたしの友達、篠田芽依(しのだめい)だ。


「ちょっだけ読んだよ。お母さんが忘れずに買ってきてたから」

「さすが、しずくママ!あたしも、お兄が買ってきたの読んでた」


芽依には、高校生のお兄さんがいる。

だから、『Excellent』も家にあるらしい。


それに、大学生のお姉さんもいる。

そのため、芽依はメイクやファッションには敏感だし、常に流行を取り入れているオシャレさんだ。


このクラスになって、初めて声をかけられたときは、わたしと真逆な雰囲気でびっくりした。

でも、話してみたらおもしろくて、仲よくなるのにそう時間はかからなかった。


だから、今のクラスになってまだ1ヶ月半ほどだけど、わたしたちはいつもいっしょにいる。