クールな幼なじみが本気になったら

そんなことを考えていたから。


わたし、まだりっくんになにも伝えてないのに…。

『好き』って言えてないのに。


もし、願いが叶うなら――。

…今すぐにでも、りっくんに会いたい。


わたしは、そう心の中で呟いた。


――そのとき。


…カサカサッ


妙な音が、わたしの耳に入る。

驚いて目を向けると、茂みの草がわずかに揺れていた。


風で揺れているのではなく、その一箇所だけが不自然に動いている。


なにかがいるのは確かだった。


そういえばさっき…。

『野犬注意』と書かれた看板を見かけた。


…まさかっ。


わたしは恐怖で体が強張り、足に力が入らなかった。

逃げたいのに、その場にへたり込んでしまう。


茂みの揺れは徐々に大きくなり、なにかがこちらに近づいてきているのは明らかだった。