クールな幼なじみが本気になったら

「ありがとう、律希くん!」


芽依は大きくりっくんに手を振り、りっくんの姿が見えなくなると、パッとわたしから腕を離した。


そして、何事もなかったかのように歩き出すのだった。



りっくんの班はスタンプを全部見つけたと話していたから、おそらく近くにあるはず…。


しかし、それと共に迫る時間。

3人の顔に、焦りの色が見え始める。


「…こうなったら、手分けして探すしかないねっ」


ぽつりと芽依が呟いた。


「しずく!」


後ろをついてきていたわたしのところにやってくる芽依。


「あたしたちはこっちの道を探すから、しずくは逆の道を探してくれない?もしスタンプ台を見つけたら、また戻ってきて」


そう言って、芽依が指差したほう…。

それは、木がうっそうと生い茂っていて、太陽の光があまり届かない薄暗い道だった。