桜子は、タケルに会う事にした。
お店が休みの日に、タケルを呼んだ。風輝は、いないほうがいいねと言って出かけた。

桜子は、お店でタケルを待った。
色んな事を思い出していた。モデルの仕事や、タケルとの最初で最後のドラマ。充実していた日々。それから2人がパパラッチされて、兄弟同士では?とスキャンダルになり…。


お店のドアが開く。タケルが入って来た。


「タケル…。」


「桜子…。」


2人はしばらく見つめあった。
タケルが言う。


「元気だった?大変だったろ。僕もアメリカへ行ってから、父さん探すの大変だった。」

「タケル…。」


桜子は、涙がこぼれた。言葉にならない思いが、流れて落ちる。


「気の強い君が、こんなに泣くなんて…。ごめんな、一人で矢面に立たせて。」


「そんな事ない。あたしもあなたも、傷ついたのは同じよ。知らなかったとはいえ、兄弟で愛し合うなんて、許されないもの。」


「桜子、そうじゃない!そうじゃないんだ。僕はそれを伝えたくて、君を探した。」