桜子の母は、テレビだとわかると急に愛想が良くなる。

「なに、あんたテレビの人ね。桜子ねこの4年間、帰るどころか電話の一本もくれないんだから。稼いで金持ちになったくせに、親孝行しないとさ。」


レポーターは面食らった顔をしたが、すぐにやつぎばやに質問をした。

「桜子さんは、どんなお子さんでしたか？」


「どんなお子さん？笑。みての通りあの子はハーフだからね、そりゃ可愛くて目立ったのよ。」


「え？桜子さんはハーフだったんですか！」


レポーターは驚いたように聞き返した。

それを見ていた桜子も、驚いた。
え？私ハーフなんかじゃないわ。母さん何言ってるの？

桜子の母は、勝手にしゃべり始めた。


「とにかくさ、あん時の子なの。私がお水だった時のね。そんな事どうでもいいから、お金送るように言ってちょうだい。」

そう言うと不機嫌そうに家に入った。

桜子は愕然とした。私がハーフ…。じゃ父さんは…。

ケータイが何度も何度も鳴っている。事務所からだった。