桜子は、智也とテレビを見ていた。

「あ、お前がででるCMだ。」


「タケルの奴、売れちゃって。」


桜子は、羨ましい顔で見つめていた。智也はそれを見て言う。


「こいつ、ハーフだろ?標準的なハーフの顔だな。お前のほうが、ずっと綺麗だよ。」


桜子は、おかしくて吹き出した。


「何それ?標準的なハーフの顔ってどんな?超ウケる。」


智也は、まじめな顔で言う。


「お前が真剣だって事は、わかったよ。俺は、これからもずっとお前の事を応援するよ。」


「智也、ありがとう。」


桜子は、智也に抱き付いた。


「俺、今度の司法試験受かったら、こっちで就職決めるつもりなんだ。お前と別れるのはいやだし…。」


「でも、もし受からなかったら?」

「その時はしょうがないさ、父さんの事務所で秘書さ…。でも、そうなったらお前と。」

「わかってる、なるようにしかならないし。」


「ねえ桜子、お前どうしてそんなにサバサバしてるの。俺のほうが悩んでるし。」


桜子はふふんと笑うと、テレビに見入った。