「いいけど、あたしは暇だからさ。バイトも首になったし…。」


「そう、じゃあ決まり。これから事務所行くけど、桜子はどうする?」

「ちょっとー、そこまで言っておいて、あたしも行くわよ。」


タケルと桜子は、事務所へ行った。

マネージャーが、機嫌良く挨拶する。


「タケル君、この間の良かったよー。」


マネージャーは、桜子には目もくれず、タケルに話かける。


「タケルにね、たくさんオファーが来てるよ。これからCMも流れれば、もっと売れるかも。笑。」


何?あの態度。まったく…。面白くないわ。
桜子は、頭にきて外に出た。
それに、軽い劣等感…。
なに?この感じ。

「おい、待てよ桜子!」


後から、タケルが追いかけて来た。

「待てよ桜子、マネージャーなんか気にすんな。」


「気になんかしてない。だいたいさ、そんな事いちいち気にしてたらこの世界やってけないし。」


桜子は、そう言うと歩く速度をはやめた。


「ねえ、家へ来なよ。」


タケルは、タクシーを停めると強引に桜子を乗せた。