桜子は、CMが終わると、ぱったりと仕事が来なかった。


「桜子、行ってくるよ。」


智也は、講義があると朝から学校へ行った。


「あーあ、バイト探さないと…。」

その時、ケータイが鳴った。


「はーい桜子、何してる?」


「タケル、どうしたの?」


「うん、ちょっと会わないかなと思って。」


「そう、いいよ。」


「じゃ、事務所のそばのカフェで待ってる。」


「うん、わかった。」


どうせ暇だし…、ちょっと生意気だけど行ってやっか。

桜子が行くと、タケルはもう来ていた。


「早いね、待った?」


「僕も今来たところ。」


「タケルは毎日何してるの?」


「あ、言わなかった?僕はインターナショナルスクールの高3生さ。来年卒業なんだ。」


「へえ、さすがはお坊ちゃまね。来年はどうするの。」


「うん、どっかの大学の国際学部かな?笑。」


「ふーん、そう。」


「そんな事より、今週末に家でパーティーやるんだ。桜子も来ない?」

「え、パーティー?」


桜子は、あまりにかけ離れた生活をしているタケルの話に、ついていけなかった。