仕事が終り、2人は外に出た。タケルは、桜子に言う。

「タクシーで一緒に帰ろう。」


「あ、でも私お金持ってない。」


「僕が払うよ。大丈夫。」


2人は、タクシーに乗り込んだ。桜子は、タケルにきく。


「タケルは、家どの辺なの?」


「お前のとこよりは近いよ。」


「また、お前って言う!」


そう言いながら、激しい睡魔に勝てず、桜子は寝てしまった。


「ねえ、桜子着いたよ。」


桜子は、タケルに起こされた。
目を覚ますと、見た事もない大きいお屋敷があった。

「ここどこ?タケルの家?」


「そうさ、疲れたでしょ。家で休んでいきなよ。」


「すごい家…。タケルは母子家庭じゃないの?」


「そうさ、母子家庭さ。でも、おじいちゃんが外交官だったの。僕達は、ここに住んでるんだ。」


タケルは、ドアを開ける。


「真夜中だから、静かにしろよ。桜子の部屋はここ。ゲストルームで、誰も入って来ないから、安心して。冷蔵庫に、飲み物くらい入ってたかな。シャワーも使えるからね。それじゃおやすみ。」

「あ、タケル…。」


タケルは、さっさと自分の部屋へ入ってしまった。

桜子は、疲れもあって、そのままベッドにもぐりこんで寝てしまった。