桜子は、話を続けた。


「タケルはどこのハーフ?」


「僕は、父さんがアメリカ人で母さんが日本人だよ。」


「へえ、そうなんだ。良いよねハーフは、努力しなくてもその顔だし。笑。」


「そんな事ないさ。僕なんか、小さい時に父さんと別れたから、英語できないし。でも顔が外人だろ、何するにも目立つしさ。」


「ふーん、けっこう苦労してんのね。」


「そうだろー。笑。桜子はどこ産?ハーフでしょ?」

「えー、私は純粋な日本人よ。」


「それはわかるよ。笑。」


「あたしね…、いいでしょ、言いたくない。」


「ふーん、言いたくない。わかったよ。」


話ながら、もう智也が待つカフェまでついた。智也はちょうどガラス越しに、2人が見える場所にいた。


「じゃあ、明日からよろしくね。」

「うん、バーイ!」


タケルはちょっと格好つけて外人ぽく言うと、片手をあげた。

まったく、英語できないくせに格好つけて。桜子は、そう思いながら店に入った。