桜子は、朝から上機嫌だった。
夕べは、念入りに肌を磨いた。

桜子のケータイが鳴る。


「あ…バイト先の店長だ。」


桜子は、知らん顔でメイクする。

それを見て、智也が言った。


「おい、ケータイ、出ないの?」


「う…ん。だって…。いいの。」


「お前さ…、あの店長に誘われたって言ったよな。」

「へえ、妬いてるんだ。笑。」


桜子に言われて、智也は強がって言う。


「お前な、男の事知らないだろ。遊べると思ってるんだよ、あいつ。」

「んな事わかってる。あたしがモデルやってるの知ってるから…遊んでる子だと思ってるんだ。」


「わかってるならいいけどさ…。」

「やっぱ妬いてるんだ。笑。」


「んーもういいけどさ、お前気をつけろ。」


そう言うと、智也は布団を被った。

「ねえ、智也行かない?一緒に。」

「え!俺?……いいよ。」


じゃ、一応保護者として。と言いながら智也も仕度をした。