*** 「はぁ、はぁっ」 あたしは疲れてその場にへたり込んだ。 負けた……。 何点かは取ったけど、完全に。 浅田がこっちに来る。 「先輩」 その顔は逆光でよくわからない。 「がっかりした?」 「え?」 「あんたの憧れなんてこんなもんだったの」 「先輩?」 「あたし、本気出しても、いまのあんたには負けちゃうし。幻滅したよね」 「そんなっ」 「それでも、あたしのこと、好き?」 浅田……。 あたしは…………。