隣の君は、太陽の笑顔






次の日、なんとも言えないソワソワした気分で学校に着いた。


甲斐くんはまだ来ていなかった。


あやちゃんは来ていたので、おはようを言って色々話していた。



「ねぇ千咲〜、私彼氏出来た」


「えっ、いつの間に?すごいね」


「えっとね他校の人で、いっこ先輩で、身長高くて、凄い優しいんだ。バイト先の先輩で。」


「え〜ノロケ〜?」


「いいだろいいだろ」



あやちゃんすごいなぁ。羨ましい。


私も恋愛に興味がないわけじゃない。


恋愛ものの小説とかよく読むし、彼氏も出来るものなら作りたい。


だけど、それ以前に私の人見知りをどうにかしないと話にならない。



「なんや?女子トーク中?俺邪魔なやつ?」


「あっ、甲斐くんおはようっ」


「おはようさん」



今日も太陽みたいな眩しい笑顔。
こっちまで暖かくなる。



「あやちゃん言っても大丈夫?」


「いや、私が言いたい」



私は苦笑いを浮かべる。



「私、彼氏出来た。」


「は?それが何?」


「え?彼氏だよ?彼氏。」


「どうでもええやん」


「う〜わ、絶対彼女出来ない人じゃん」


「余計なお世話や」



甲斐くん、恋愛興味ないんだ。

たしかに、部活忙しいもんね。



「遠江さんは彼氏おらへんの?」


「へっ?私?いるわけないです!ほんと滅相もない。」


「あ、おらんのや。おりそうやのに。」



本当に言ってますか?

私なんかにお付き合いしてくれる方がいたら、もう、嬉しい限りですけど。



「甲斐くんは彼女いないの?」


「おらんよ」


「彼女作りたいとも」


「思わへんなぁ」


「えっ、なんで!」



いちばん驚いていたのはあやちゃんだった。



「いや、せやって色々めんどそうやんか。それに俺、部活忙しいし。」


「へぇ〜変わってるね」



失礼だけど、確かに、甲斐くんは彼女作るより、友達のままワイワイしてる方が甲斐くんって感じはするなぁ。



「亮晴、性格は良いのに。勿体無い。」


「なんやねん、性格は!って。他のも褒めろよ」



そんなこんなで、ホームルームの予鈴が鳴ってしまった。


まだ話してたいなと、名残惜しく思った。