土曜に午前中だけ部活があったからその終わりに、久々に仁之助のこと考えた。
卒業してまう前に、意地張っとらんと謝ったらよかったって、なんべん後悔したかわからん。
……もういっぺん、仁之助と会えるんやったら、今度こそ謝りたい。
そんで、また友達になりたい。
それだけが俺の心残りや。
ボーっと歩いて帰ってると、見覚えのある背中が見えた。
千咲や。
自然と笑顔になっていくのがわかった。
どないしたんやろ。
珍しいな、ここでおるの。
ん………?誰かと話しとる?
誰やろ……?
ーーーその顔を見た瞬間、目を疑った。
信じられんかった。
「…………………仁之助……?」
