「関西弁の転校生ってどいつやー!」



俺と仁之助が初めて会ったんはこん時やった。


俺のクラスに道場破りで入って来た。


第一印象は、けったいなやつやなぁ。


けど、聞いてすぐわかったこの関西弁のイントネーションで、なんでかワクワクした。



「自分、どっから来た?」


「大阪や」


「大阪か〜。俺はな兵庫出身やで」



兵庫かーとか思いながら名前を聞いてないことを思い出す。



「名前は?」


「俺は志摩仁之助(シマジンノスケ)や。仁之助って読んでな〜。自分は?」


「仁之助か〜ええ名前やなぁ。俺は甲斐亮晴やで。亮晴でええよ。」


「亮晴…、よう似合てるで。」


「おおきに〜」



さすが関西人やなと思た。

テンポがええ。
話しやすい。

仁之助となら仲良うなれると思た。















「全然通じんことあらへん?方言。何言うても、え?なにそれ、やで?」


「あー確かになぁ。俺も初めの頃は全然通じんかったし、標準語に慣れるまでめっちゃ時間かかったわ。」


「うわぁ、わかる。標準語イントネーション全然ちゃうし慣れる気せんわ。」



共感してくれるやつおるだけで、こないにも違うんかと初めて実感した。


俺らは休み時間になるごとに話しまくった。

休日もお互いの家に行ったりして遊んだ。



ハンドボールを教えてくれたんも、仁之助やった。




俺はこっちに来てから、どうしようもなかったこの気持ちを理解してくれる友達がとてつものう嬉しかった。


仁之助がおるだけで、気持ちがフッと軽なった気ぃした。




俺は仁之助にめっちゃ感謝しとる。