*・*・*・*・*
「亮晴〜、今日亮晴んち行ってもええ?」
「おっ、ええで〜」
俺は友達が多い方やった。
「お前っ、アホやろっ」
しょーもないことで大笑いして。
せやけど、それが一番楽しかった。
そんな俺には、2回好きなやつができた。
………けど、どっちも俺は当たって砕けた。
今になって俺は、なんであんな虚しいことしたんやろ?って自分でも思う。
俺は1回目も2回目も、好きになったやつに好きなやつがおって。
………みんな、わかりやすすぎんねん。
両方、両思いのくせにいつまで経っても全然くっつかへん。
俺は、ずっとクヨクヨ同じこと考えるのが好かん性分なさかい、当たって砕けたんな。
お前はあいつが好きなんやろ?
俺はお前が好きや。
俺は告ったぞ。お前はそれでええんか?ってな。
両方とも同じような感じで。
我ながら、ええやつやと思うわ。
嫌われ役申し出て、フラれるだけならまだしも、くっつくとこまで見届けけなあかんので?
そいつらのこと好きやったさかい、責めとうても責められんかってん。
ほんまにええやつやな、俺。
せやけどまぁ、こいつらが幸せやったら別にええわ、とはならへんかったな。
せやって、悔しいもんは悔しいやんか。
できればやっぱり俺が幸せにしたかったわ。
