*
歩いて数分で駅に着いた。
意外と空いとったから良かった。
「甲斐くん、どの駅で降りる?」
「どこでもええで?あ、けど、降りたことない駅の方がおもろいと思う」
「やっぱりそうだよね。…案外降りたことない駅って多いんだね」
「せやねん。……ほんじゃあ喜多岡駅とかどう?」
「降りたことない。」
「俺もないねん。ここにする?」
「いいよっ。うわぁ楽しみ〜」
*
「なんかドキドキするね」
「ハハッせやな」
遠江さんめっちゃワクワク顔やん。
「どこ行くどこ行く?」
「落ち着け(笑)時間よぉけあるんやから」
「お、落ち着きます」
………ワクワクが溢れ出てるで(笑)
「どこ行きたい?」
「!美味しいもの食べたい!」
「おっ、ええやん」
*
「ヤバっ、うまっ」
「ねっ、すごい美味しい」
近くに有名なパン屋があるらしくて、そこの店のカレーパンと明太フランス?を買いに行って食べてます。
どれもほんまに美味しそうで、めっちゃ迷った。
「今まで食べたカレーパンの中で一番美味いわ!」
「うん、私も今までで一番美味しいかも。」
「ん〜美味いっ」
「あははっ、すごく美味しそうに食べるよね。」
「せやかて、めっちゃ美味いやんか」
俺は正直な感想を言ってるだけやねんけどなぁ。
「フフッ、甲斐くんが食べてるのは全部美味しそうに見える。」
「そうか?なんか嬉しいわ」
この子とある時間は居心地がええ。
あっちゅうまに時間が過ぎてまう。
なんも気を張らんでいい、ありのままの自分でいれる気がする。
ーーーせやから、これ以上はあかんねん。
