ここ最近、勉強帰りは甲斐くんが送ってくれる。
暗なってきとんのに、女子が一人で帰ったら危ないやろって言ってくれた。
甲斐くんの家は私の家の方向と反対だから、申し訳なくて始めは断っていたけど、甲斐くんの押しに負けて送ってもらってます。
実は私はこの時間がとても気に入っていた。
また部活で忙しくなるから、それも今日で終わりで。
少し悲しいなと思っている自分がいる。
「っけど、遠江さんのおかげで初めてテスト自信あるわ。…まだしてへんけど。」
「(笑)甲斐くんのお役に立てて良かったです」
「ほんっまに、ありがとぉな!」
「うん!テスト頑張ろうね!」
「おう!」
薄暗くてあまり甲斐くんの顔ははっきり見えなかったけれど、あの眩しい笑顔をしていたのはわかった。
私もつられて笑顔になる。
ずっとこの笑顔でいてくれたらなと思う。
「ちょうど着いたな。ほんじゃ、さいなら」
「送ってってくれてありがとう!」
「おん、早よ寝るんやで」
