反省会が終わって、その後の練習も終わって、イチと途中まで帰ることにした。



「なぁ亮晴。お前あんま張り詰めんなよ?」


「え?張り詰めてへんし、張り詰めんわ。」


「……はぁ。もういいけど」


「?」


俺はあんまり言うとる意味がわからへんかった。


「なぁ亮晴、遠江さんと最近良さそうに見えるけど」


「え?普通に仲ええけど」


「いや、だから付き合うとかは無いの?」


どしたんコイツ、何を急に…!


「なっ、遠江さんとはそんなんちゃうわ」


「あっ、そう?」


「お、おん」


もっとイジってくるんかと思たら、思た程言うてこんかったから、なんか拍子抜けやな。


「………あのさ、亮晴って彼女とか作ったことあんの?」


「え?あるわけないやろ」


「…当たり前やろ?とでも言いたげな……。
じゃあ好きな子は?…さすがの亮晴でも、」


「おるわけないわ」


「………うん、なんかそんな気がしてたわ」



俺は恋愛経験無いこともないねんけど、興味が無くなった。



「俺に恋愛の話であんま期待せんほうがええで。」


「わかってたつもりだったけど、ここまでとは………。お前、もし仮に好きな子できて、その子から告白されて付き合いたいって言われても、部活に集中したいみたいな理由で断るやつに見えるわ。」


「………否定出来ん」


「いや、そこは否定しろよ(笑)」


「例えばやけどな、もし俺に好きな子がおって、その子から告白されて付き合いたいって言われても、俺、断りそうやなぁ。」


「なんで?」


「え?せやって、部活忙しいやん。週5は絶対あるし、俺キャプテン任されとるし。それに俺、ハンド馬鹿やんか。付き合うたとしても、全然構うたれへんわ。」


「あぁ」


「デートやら女子がしたいやつ、満足にさせたれへん思う。そうやって彼女に我慢させるんやったら、部活全部終わるまで待ってもらう方が俺はマシかなって思うけど。…こんな部活ばっかの彼氏、べつに欲しないやろ。」


「………なるほどなぁ。………………お前、彼女出来たら、すげぇ一途だろ。」


「そうか?……まぁ今はどのみち彼女欲しいとは思わんけど。」


「そっスか。」