隣の君は、太陽の笑顔




朝早くに目が覚めて、なんとなく学校に行く。



体育館の鍵を借りて、一人、ひたすらゴールにボールを投げ続ける。




およそ1時間くらい投げ続け、外が騒がしくなってきたところで、教室に戻った。


騒がしくなった、とはいえ、教室にはまだ誰も居らん。



ちょっと寝よ、と思って腕にうつ伏せになるけど、寝れるはずもなかった。



今日、なんか、やる気出えへん。




すると、誰かが教室に入って来た。



「あっ、甲斐くん、おはよ」


「遠江さんか。おはようさん」



誰かと思たら、遠江さんやった。



「来るの早いね」


「あぁうん。…朝はよ起きてしもてな」


「…そっか。」



会話が少し詰まる。

気まずい空気になってしもた。

けど、これだけは言うとかな。



「………昨日、すまんな。せっかく試合見に来てくれたのに」


「っ、謝らないで!」


「!………」

「謝る必要なんて無いよ?すっごい良い試合で、私感動した。」


「……」


「…結果は負けだったけど、次、どう頑張るのかが大事なんじゃないの?私がどうこう言える立場じゃないけど、後悔して、反省して、考えて考えて。その気持ちを忘れずに努力することが大事だと思う。」


「っ、、」


「次、勝てば良いよ。」



決して簡単なことじゃ無い。

けど、単純や。
勝てば良い。



「ははっ、せやな!その通りや」


「ご、ごめん。何を私が偉そうに」


「そんなことないで。ありがとぉな。おかげで目が覚めたわ。」


「…よかった」


ほんまにホッとしよる顔だった。

心配かけたな。