今日は夏休み終わりの二学期初日。 

久しぶりの学校だ。



いつもの通学路。
いつもの電車登校。
いつもの風景。


変わり映えのしない、いつもと変わらない今日。


でも、今日はひとつだけ変わることがある。


それはクラスの席だ。

今日、席替えがある。



私は他の女の子や男の子と話したくても、口が固まって言葉が出てこない。

自分で言うのもなんだけど、いわゆる内気、内向的とかの言葉が似合うと思う。



私はこの性格に長年悩まされている。

だからみんなの前でハキハキと話せる人は、本当にすごいと思う。



こんな私自身をいつも嫌になる。


そんなことを思いながら二年三組の教室に入る。


先に来ていた彼女を見つけた。



「あやちゃんおはよう!」


「あ、千咲おはよっ!」



彼女は明るい表情で挨拶を返してくれた。


彼女は相模礼寧(サガミアヤネ)ちゃん。

私が唯一仲の良い、私といつも仲良くしてくれる大事な友達だ。


あやちゃんは可愛いし、優しいし、人当たりも良くて、誰とでも仲良くできる。

すごいなぁといつも思っている。