隣の君は、太陽の笑顔






「千咲〜、一緒に帰ろ〜」


「わかったー」



あやちゃんに呼ばれて、私は残りの準備を急いで終わらせる。



「お待たせ」





あっ、甲斐くんに何も言わないまま教室出ちゃう。

バイバイとか、また明日とかぐらい言っとけばよかった。






っ、やっぱり、、


「あやちゃん、先行っててくれる?」


「?うん」







教室に戻ると甲斐くんは友達と話していた。







「か、甲斐くんっ」














……勇気を出しても届かない声。


こういう時、自分が嫌になる。



もっと明るく居れたら、誰とでも仲良くなれたら、甲斐くんやあやちゃんみたいに話せたら、どんなに良いんだろうって、何回思ったことか。




「っ、甲斐く」

「遠江さん、また明日な!」



私は気がついたのか、彼がそう言った。

私が言いたいことを彼が言ってくれた。

彼にとっては何でもない一言だったのかもしれないけれど、私にとってはすごく嬉しい一言だった。




彼は大きく手を振っていた。


それを私も笑顔で振り返した。