「亮、亮、分かる、まりえよ」

俺は自分の手をまりえの頬にあてて、必死に頷いた。

「だ い じ ょ う ぶ か」

「私は大丈夫よ」

俺は眠りについた。

どれ位眠ったんだろうか。

目が覚めた時、まりえが俺の手をギュッと握りしめてベッドに寝ていた。

「まりえ、まりえ」

まりえは目を覚まして、俺を見つめた。

「亮、良かった、ずっと目覚めないかと心配したんだよ」

「ごめんな、心配かけて」

「謝るのは私の方だよ、私のために亮は命を落としそうになったんだから」

「まりえが無事で良かった、俺はボディーガードだからな、お前を守れないなら意味がない」

「亮」

私は亮の側を片時も離れなかった。

この事件を機に私は自分の気持ちが分かった、亮の側を離れる事はもう出来ないと。

「まりえ、犯人が捕まってもまだ油断出来ないから、十分気をつけろ」

「大丈夫よ」

しばらくして俺の病室に小出氏が現れた。

小出氏は深々と頭を下げて、俺に謝った。