俺の側にずっといろ、生涯お前を守る

小出ホールディングスの後継者のこと、亮のボディーガードとしての仕事のこと、妹さんのこと。

久崎社長が言っていたように、父の圧力がかかって迷惑がかかるなんて耐えられない。

亮は愛してはいけない人なんだ。
私の言葉に亮はしばらく黙っていた。

でも意を決したような表情に変わって言葉を発した。

「まりえ、俺はお前を抱いた時、生涯守っていくと決心したのに、小出氏に考えを改めるように言われ、お前を一旦は諦める道を選んだ、でもさゆりからお前が事件の真相を知ってしまったと聞いて、居ても立っても居られなかった」

「亮」

「俺の側にずっといろ、生涯お前を守る」

「ありがとう、亮、嬉しいよ、嬉しいけど他の人に迷惑をかけて私だけ幸せになるわけにいかない、ごめんね」

私は久崎社長に頼まれた書類を渡して社内に戻った。

「まりえ」

亮の声はわたしの去っていく後ろ姿に届くことはなかった。

俺は頭を抱えて項垂れた。

そんな俺に久崎社長は声をかけてくれた。