俺の側にずっといろ、生涯お前を守る

「ごめんなさい、私、てっきりまりえさんは知っているものとばかり思っていたから」

「いいのよ、ありがとう」

「お兄ちゃんに連絡してあげてください」
さゆりさんはその場を後にした。

そんなこととは知らずに、俺はまりえを忘れるために悶々とした日々を送っていた。

ある日さゆりから連絡が入った。

「さゆり、どうした?」

「お兄ちゃん、ごめん、私、まりえさんに事件のこと話しちゃったの」

「どう言うことだ」

「お兄ちゃんが一途にまりえさんを愛しているのに、お見合いして結婚しちゃうなんて信じられなくて」

「お前」

「仕事終わったって聞いて、まりえさんとこの先も一緒にいるのかと思ったら、連絡取ってないって聞いて、まりえさんがどう思っているのか確かめたかったの」

「もう、いいんだ、まりえは結ばれない相手なんだよ」

この時さゆりは俺に心配させようと嘘をついた。

「お兄ちゃん、まりえさん、事件のこと聞いて相当落ち込んでいたよ、今頃泣いてるかも」