俺の側にずっといろ、生涯お前を守る

早く子離れしてほしいのだ。

私だって、キスもしないまま、年老いていきたくはない。

真山さんを利用させてもらおうと咄嗟に思いついた。

次の日、私は身の回りの手荷物だけまとめて、支度を済ませた。

全てお父様に買ってもらったものばかりだから置いていこうと決めた。

仕事はしていたので、毎月一定のお給料は入ってくる。

大学時代の先輩、久崎翔子、四十歳。

十年前に香水の会社を立ち上げ、その時に社員として誘われた。

「まりえ、うちで働かない?」

「いいんですか」

「もちろん、お父様に話してみて、私が直接お願いしてもいいけど」

「大丈夫です」

大学を卒業後、花嫁修業で、お茶やお花そしてお料理、着付けなど、そして英会話まで、それなのに肝心の相手がいない、外に出る時はお父様の雇い入れた運転手付きの車の送り迎え、買い物はインターネットばかりで、出会いなどなかった。