俺の側にずっといろ、生涯お前を守る

やっぱり、私からの一方通行の気持ちなんだ。

「まりえさん、どうかしましたか?」

「あっ、なんでもない」

「どちらに行きますか」

「ジュエリーショップへ行きたいな、イヤリング見たいの」

「代官山に行きましょうか」

「うん」

車の中で沈黙が続いた、何を話せばいいか分からなかった。

そんな沈黙を破ったのは真山さんだった。

「お見合いのお話は進んでいるのですか」

「この間の方はお断りしたの」

「そうですか」

えっ、なんか嬉しそうな表情に見えた。

俺はまりえさんの言葉に気持ちが高揚していた。

なるべく他の男のものになるのが先に伸びればいいと感じていた。

自分のものにする選択はないのか。

自問自答するも答えは導き出せない。

自分の立場を弁えている俺とまりえさんを自分のものにしたい俺が葛藤している。
「駐車場に車を停めて歩きましょうか」

「うん」

真山さんの提案に頬が緩んだ。

しかももっと嬉しいことが起こった、まさかの出来事が……