俺の側にずっといろ、生涯お前を守る

ホテル正面入り口に向かった。

真山さんは車から降りて、走ってくる私を受けとけようと近づいてきてくれた。

私は思いが溢れて、真山さんに抱きついた。

「まりえさん」

真山さんも私をぎゅっと抱きしめてくれた。

このまま時が止まればいいのにと願わずにはいられなかった。

「すみません、実家にお送り致します」

私はお父様の元に逆戻りしてしまった。

「お父様、ただいま戻りました」

「おお、帰ったか、見合いはどうだった?」

「なんか惹かれるところがなかったです」

「一回位会っただけでは分からないだろう」

「でもまた時間を共有したいとは思えません」

「そんなこと言わずにデートしろ」

そしてお父様は真山さんに言葉をかけた。

「ご苦労だったな、迷惑をかけた、しばらくまりえは見合いが続くからこちらで暮らすことにするよ」

「はい、かしこまりました」
「では、荷物はこれだけですので自分は失礼致します」

真山さんが背を向けた時、私は「真山さん」と声をかけた。